中 国 山 地 の 旅(1)
前回は月山、鳥海山ある東北の旅であった。今回は茨城に住む相棒はあまり足を踏み入れたことがない中国山地を選び計画を立てた。
茨城に住む相棒は東北大震災には直接の大きな被害はなかったものの、連続して発生する余震耐え難いものがあったとか。震災後の旅行であるため、実行するかはなかなか決めかねていたが、四月末にようやく決心がついたようだ。今回は相棒を神戸空港で出迎えた。旅行中での天気予報では、台風接近の影響で、毎日が雨の予報である。またかと思ったが、雨は新緑を更に美しく見せてくれるので、このことでいやな気持を抑えることとした。
前置きはそのぐらいにして、先ず中国道を通って岡山の吹矢ふるさと村の古い町並みを見に行く。吹矢ふるさと村は中国山地のど真ん中に位置し、落ち着いた雰囲気を持った街並みが出迎えてくれた。赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外観で統一された街並みはすばらしく、新緑に染まった山に溶け込んでいる。村は静かで、観光客は震災の影響なのか人っ子一人いない。
江戸末期から明治にかけ、吹屋の長者達が後世に残した街並みであるとか、ベンガラ(弁柄)は鉱山の捨石から偶然発見されたものであるが、高級塗料として使用された。
特に目を引くのが広兼邸で、銅山を営むことで、大いに栄え、城郭と間違えるほどの大邸宅を作った。この邸宅は映画「八つ墓村」の舞台となっている。
東北旅行では、この時間では薄暗くなっているが、今回は五月である。まだ明るいが今夜の宿がある北広島まで、高速道路を飛ばす。
ホテルは田んぼが広がるところに位置するが、温泉付きのホテルである。夜はカエルの鳴き声を聞きながらの睡眠となる。
吹屋の写真のスライドショーを見る
翌朝は五時起きである。天気予報通り雨で、少し薄暗いが五時半にビジネスホテルを出発し、今日の最初の見どころである大朝のテングシデを見に行く。
テングシデは枝條の屈曲が著しく,枝がしだれるイヌシデの変種で,昭和14年に調査を行った堀川芳雄博士が変種として命名したものである。この形質は病的なものでなく,健全で立派に固定したもので,世界中でただこの地方だけにあるとか。
牧野さんよりすでに紹介済みであるが、写真ではなかなか実感できない雰囲気を漂わせていて、今にも木の枝にテングが現れそうな気がしてくる。
テングシデのスライドショーを見る
次の目的場所は、今時期にびったしの棚田風景である。これも牧野さんの紹介であるが、雨は止むことなく降り続いている中、井仁の棚田を見に行く。
この棚田は標高500m〜550mの、全体が山に囲まれた、すり鉢状の傾斜地にあり、広島県で唯一、棚田100選に選ばれているとか。
戸河内ICから約4キロほどでにあり、車のすれ違いができない狭くて暗いトンネル
を目印として行くと、言われた通りトンネルを出ると棚田が現れる。しかし、盆地でることから、霧がかかって見通しがきかない。車を路肩に止めて、棚田の中を散策する。しかし、かなり待っても見通しは良くならず、傘を差し手の撮影となる。
後で気がついたことであるが、レンズに雨が当たって水滴がついているのに気づかなかったことで、失敗作が多くなってしまった。霧がかかった棚田の風景も味があるかもしれませんので、ご覧ください。
井仁の棚田のスライドョーを見る

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