武庫川源流を訪ねて
  
 2007−02−03
 真南条川〜龍蔵寺〜初田集落〜田松川〜篠山川
 参加者:杉田、藤井、松原、木野  
二級河川武庫川 
武庫川は西宮市の東側を流れて大阪湾に注ぐ大河で広く市民に親しまれている。源流は篠山市にあって全長64km。
流域は篠山市、三田市、神戸市、西宮市、宝塚市、伊丹市、尼崎市そして大阪府能勢町に及ぶ。大阪湾から日本海まで桜回廊で結ぼうという計画が実施され、武庫川河口から円山川河口まで堰堤に桜が植樹され、いまは桜の若木が大きく育っている。この桜回廊を毎年桜の盛期に2日、3年かけて歩こうという計画がある団体により計画され、今年は武庫川河口から篠山市まで2日間で歩いている。

西宮市の「わらじ会」としても何かしたい気分になってもおかしくない所だが如何せん若い人達と張り合っていけるものでなし、身の程を弁えて中でも元気な人達を語らって源流から河口まで足跡を印したいと思い立った。わらじ会としては過去に福知山線廃線跡を武田尾まで、今年4月10日には満開の桜の下新三田駅から三田駅まで踏破している。 

 
 真南条川から龍蔵寺まで武田リーダーの風邪が治りきらず不参のため、同行4名となる。JR南八代駅で下車しさっそく武庫川基点標柱を見に行く。柱にはまっていたプレートが見当たらない。松原さんが柱の周りをゴソゴソほじくり返して武庫川のプレートを探し出した。
田松川と真南条川が合流したここから下流が武庫川である。

 
   
 
    真南条川はデカンショ街道の北側を平行して流れている。真南条上の集落まで大よそ一時間ばかり、村には藁葺き屋根の古い民家
が数軒、空き家なっている。真南条川はここで龍蔵寺川となる。
源流は南に見える愛宕山の中腹にある。龍蔵寺に向かう道路は所々氷結していて、これが透けて見えるものだからウッカリ上に乗ろうものならズッテンドウとひっくり返ることになる。危うく踏ん張って堪える。
 ちゃんも、オッ・オッ・オッと言いながら必死にバランスをとっている。何しろ高価なカメラを首にかけているから見ている方も肝が冷える。
山峡にさしかかるころ粗末な龍蔵寺の山門が見えてくる。境内の雪は除雪されて歩きやすそうだ。
ここより上流は昨夜の雪も積っており、凍っている所もあるようだし、何しろ今は狩猟シーズン真っ只中。入山遠慮の山域に入ってヘボ猟師の弾を喰らってわ堪らん。
日当たりのよい御堂の脇を借りて弁当にする。弁当の終わる頃合を見計らったように何処からか老師が現れて「開けましょうか」と
  
  
  御堂に誘ってくれた。上げてもらって毎日2時に起きて勤行し
ていること。92歳になること。丹波一の古刹で修行僧の寺とし
て栄え、愛宕神社にかけて多数の塔頭があったこと、檀家の
ないこと、だんだん寂れ、ご本尊をこの御堂に収容しているこ
と。宝塚にいる跡取りが時々来てくれ、今日も雪 に来てくれたことなどをとつとつと話してくれる。お布施を2000円包んで
ご無礼する。

 
   
 

田松川
朝の寒気もやわらいで道路の氷は解け、帰り道は下りのこともあって捗った。真南条川を越えて初田集落への峠道を越える。
今日のメンバーは多士済々で草木のことなら杉田さん。野鳥
のことなら松原さん。カメラのことなら克ちゃんに聞けばたちど
ころに腑に落ちる答えが帰ってくる。道中の話も弾んで峠も難
なくこえ初田集落を抜けて田松川にいたる。田松川は明治に
なってから掘られた舟運の為の運河でJR南矢代駅近くの武庫川からJR篠山口駅に向かって真っ直ぐに掘られ、篠山川に通じている。
この地はかって「谷中の水別れ」と云われ、田松川が掘られるまでは武庫川と篠山川との河川争奪が頻繁に起こっていた所だという。今は川中に分水界が存在する珍しい事例だという。
 
 
 
河川争奪では柏原の石生の氷上回廊が有名だ。
途中に堰があって50cm程の水深がある。北に進むにつれだんだん浅くなりとうとう底が見え、深さ1,2cmの水溜りとなりや
がて水は北に向かって流れ始める。この堰の水は武庫川にもながれ、北の篠山川にも流れている。素人なりに四者鳩首協
議の上ここを分水界と定めて納得する。
町中を田松川の流れに沿って北へ下って行くとやがて道路に遮られ本日の武庫川源流行はここで終了とする。
 
 牡丹鍋 やまくじら亭
 ぼたん鍋はどこがよかろうかと思い悩んだ。老舗、肉質のウン
チクを語る店、大衆的な店といろいろ。田松川の延長線上に
あって歩いて行ける所となると篠山IC前のこの店が一番だろう
と電話を入れて色々聞いてみたところ何より融通が利く。第一
お昼のLOが遅い。昼も予約ができる。少々の時間の遅れは
都度連絡を入れてくれればよい。肉は3種類あって来店時に決めてもらえばよい。人数は減っても増えてもよいなど幹事は
いい加減でも務まるのがうれしい。

肉は生ロースとバラ冷凍肉を注文した。ガスを点けて鉄鍋が
グラグラ煮立ったころ綺麗に盛り付けされた大皿が届いた。外
側が生ロースで内側が冷凍バラ肉だという。見た目は全然い
っしょ。区別がつかない。
「まず外回りを入れてね」と杉田さん。ドバッと景気よく煮えたぎ
る鍋に放り込む。再び沸き立ったところで堪らず箸を出して口
に放り込む。ああ柔らかい。溶けてしまうようだ。臭みもない。
全然臭くない。しし肉がこんなに旨かったかと瞠目する。ビー
ルでひと流しして次は内側だ。松原さんも珍しくビールが進ん
でいる。これは少々しわいが味わい深い。もちろん臭いはない。
「子供たちとやる時はこれでいいよね」と皆満足。
  
うれしいメールを受信しました篠山フォトハイクの皆様へ
お元気の事と思います。
篠山猪フォトハイクから早、1ケ月たちました。
山鯨のボタンが懐かしくなりかけた時に、龍蔵寺の和尚さんが日本カメラに入選しました。4月20日発売の5月号です。
帰りがけに和尚さんに挨拶、記念に1枚お願いして撮った分です。
和尚さんがこんな格好でいいかな〜と言ってこちらを向いた時に パチリ!確か、92歳と言っていましたね〜。
皆様有難うございました。ボタンがただになりました。

藤井克己


---------あとがき---------
記憶もボケてきたころ、ぼたん鍋の季節が来ようかという時になってようやく脱稿しました。写真は松原さんと藤井さんに
提供いただきました。本来はわらじ会のハイクですが、参加者全員が e-silver の会員でもあるため投稿しました。
行楽のご参考になるでしょうか。 (2007−9−29 木野)

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