屋久島覗き見旅行
屋久島を訪れ自然の変化に触れあわよくば九州最高峰の宮之浦岳の山頂を極め縄文杉にも対面したいとの若い
ころの夢が中々実現せず徒に時を過ごしました。
偶々阪急交通社の‘初めての屋久島ゆとりの3 日間’の旅程をみて参加することにした。
第一日:平成20 年11 月26 日
伊丹08.00−鹿児島09.15 10.35−屋久島空港11.10
参加者総勢16 名 50 代60 代の夫婦連れが多く我々は最年長らしい。
空港到着後バス内で添乗のお嬢さんから3 日間の概略行程の説明があり初日の今日は昼食後 紀元杉(樹齢3 千年の
屋久杉)を見て‘屋久杉ランド’と称する屋久杉の原生林を約1 時間歩くその後バスで移動,千尋の滝(1 枚の巨大な岩盤
を流れる滝)をみて宿舎の岩崎ホテルに入るとのこと。
明日2 日目はこの旅行の目玉である‘白谷雲水峡’(宮崎監督のもののけ姫の森であるといわれる屋久島らしい原生林)
を専門ガイド氏の案内で5 人ずつに分かれて約6 時間の予定でトレッキングとのこと。
最後の1 日はバスで海岸線を1 周し途中‘西部林道’(世界遺産登録の森)をドライブ
往路と逆に屋久島空港―鹿児島空港―伊丹となる。
緑線で囲まれた部分が世界遺産指定地域。
海岸の安房地区より約20 キロ屋久杉の道を経て
標高1000−1300m の屋久杉ランド地区に到着 、先ず近隣の紀元杉に対面。
屋久杉ランド付近の景観
屋久猿の親子 遠く大忠岳を望む 山頂には巨大な花崗岩の柱がある。
屋久鹿
我々はまずバスを降りて紀元杉に向かい対面した。
樹齢1000 年以上のものを屋久杉、未満のものは小杉、屋久島で植林されたものは地杉と呼ぶ。

紀元杉
標高1230m、高さ19.5m周囲8.1m の巨木。車道の傍にあり車でアクセス出来る唯一の屋久杉。訪れる人が一番多い
杉の巨木。特に着生樹が多くツツジ、シャクナゲ、紅葉と四季の変化も面白い。樹齢3000 年ともいわれる。
紀元杉の頂部は枯れているようだが下はまだまだ元気に見える。着生植物種類多く見事なものである。
紀元杉から車で15 分下がりヤクスギランドの入口に到着。ヤクスギランド「屋久島自然休養林」は世界自然遺産登録
地域には属していないが屋久島森林生態系保護地域、国立公園第三種特別地域などに指定された面積270.33 ヘクタ
アールの杉、モミ、ツガなどの巨木が繁茂する自然林である。
園内は幾つかのコースに分かれるが我々は赤色ラインの50 分コースを歩いた。実際は1 時間半の昇降のあるタフ?な
道であった。
一般的に杉の寿命は500 年といわれるが屋久杉の寿命は桁外れに長い。栄養の少ない花崗岩の島に生える屋久杉は
成長が遅く木目が詰まって居り降雨多く湿度が高いため樹脂分が多く腐りにくい特徴があり樹木の寿命が長い。
屋久鹿 野生 餌を求めて徘徊
次に屋久杉自然館をすぎ海沿いに進み今日の最終目的地の千尋(せんぴろ)の滝に着いた。
巨大な花崗岩の一枚岩の向こうに流れる落差60 メートルの大滝。
其れにもまして花崗岩の一枚岩,水量の増す雨期には全面水しぶきで蔽われる光景を想像すると心が躍った。
話によれば屋久島は数千万年の海底火山の活動で隆起し、全島 花崗岩よりなり火山灰が其の上に堆積し風雨に
曝され現在の姿になったとのこと。
そのため地表の土壌は極めて薄く植物の根は横へ横へと張る特異な生態を形造っている。
展望台より滝の景観が一望できる。
夕方5 時島の南端 尾之間地区にある今夜の宿泊先である岩崎ホテルに到着した。
広大な庭園をもつ大きなホテルの様だ。
明日2 日目の白谷雲水峡トレッキングは我々2 人は残念ながら断念しホテル付近の散策にすることにした。
ホールの屋久杉オブジェ客室よりみた海側の風景
客室よりみた山側の風景
モッチョム岳 海抜940 メートル。先の尖ったとがった奇峰 前面は深い原生林
ホテ
ホールの屋久杉オブジェ
客室よりみた海側の風景
客室よりみた山側の風景

モッチョム岳 海抜940 メートル。先の尖ったとがった奇峰 前面は
深い原生林ホテルより外に出て滝をみに行く
ポンカン畑 野生動物の食害防止のため有刺鉄線に微弱な電流を流している。
ホテルの出口より約20 分の登り道をあがり滝の展望用の櫓に達する。ホテルが備えた案内板があるだけで人が訪れことも少ないようだ。
展望台より見た大滝
四季の移り変わりにさまざまに自然の造形の美しさを見せてくれるようである。
滝から帰りホテル内庭園を歩く。
コースは整備されランドカーと称する車が通行する。
甘い果実をつけるが成熟に2 年掛る
今日は単独行動でホテルの周辺を回り森林浴を愉しむことができた。
晴天に恵まれ屋久島の自然に浸ることができた。
第 3 日:平成20 年11 月18 日 最終日
本日のスケヂュウル
ホテル10 時発―平内海中温泉「海に流れ込む秘湯」―大川(おおご)の滝「日本の滝百選の一つ」―西武林道(世界
遺産の森)ドライブ―シーサイドホテルにて昼食―志度平ガジュマル公園―屋久杉工房―屋久島空港―鹿児島空港
―伊丹空港
本日は西武林道通行のため小型バス使用
まず平内海中温泉にゆく。海岸に自然に湧出する.干潮の前後2 時間程しか入浴できない。
.潮の加減で浴槽らしきものをみるだけ。


落差88m 滝の上部で左右に分かれ滝壺にダイナミックに流れる雄大な滝。
駐車場から少し歩くと滝壺の近くまで行ける。
西部林道を通過するころ雨が強く降り始めた。世界遺産指定地で屋久島で唯一車で通過できる場所である。
西部一帯は日本最大の規模を誇る照葉樹林となって居る。海岸線から最高峰宮之浦岳まで連続する植生分布が評価され
世界自然遺産に登録された。50 分かけて対向車と譲り合いながら通過した。
明治30 年創立の日本で最も古い形の屋久島灯台。西部林道より見た景観。
林道通過後うみがめの産卵地である永田いなか浜を車窓より見た。
晴天であれば山側に九州最高峰 宮之浦岳(海抜1,936m)の雄姿がみられるとか。
島の北端を回り志度平ガジュマル公園に入る。雨は激しく土砂降りになる。 昨日一昨日の好天とはうって変った悪天候
今日も島の南では曇り空ではあったがこれほどひどくなるとは。
千年杉   屋久杉ランドにあり若々しい 仏陀杉 木の左側の瘤、仏陀の顔に見える屋久杉ランド
ガジュマル公園
公園見学後
シーサイドホテル屋久島にて昼食。
屋久杉工房に手土産物調達。雨は上がったが天候不良による航空便の欠航をおそれ屋久島空港よりの便を一便早
くした。
鹿児島空港19.15 伊丹空港20.25 で無事帰着した。
此度の旅行では屋久島の本命である縄文杉に対面することは勿論、もののけ姫の森にも足を踏み入れることが叶わ
なかった。
力不足の分相応の瞥見旅行に終わったのは残念だが致し方がないことであろう。
ただ屋久島のもつ自然の驚異、森の再生のドラマに目を瞠った。
同時に観光と自然の保全の調整をどの様にしていくのか問題山積(大勢の登山者による植物生育の疎害、排泄物
の処理など)を感じた。

Topページへ          紀行文目次へ




inserted by FC2 system