第3回   祝儀 不祝儀の表書き    平成17年8月20日 田村 昇三氏投稿

              出典=日本書道協会 実用書道 よりの抜粋です
― 成 長 の お 祝 い ―

出産のお祝から始まります。 御出産祝
出産祝いは、近親者からのお祝いの金包みは別として友人や親戚からのお祝いは、遅くとも一ヶ月以内に贈ります。赤ちゃんの健康を確かめ、産婦の体調を見計らってからに致しましょう。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
御 帯 祝
祝の帯
妊娠五ヶ月目の帯祝いは、ごく身内で祝います。現銀や実家からでない場合は、「御帯祝」、妊婦の実家から帯を贈るときは、「祝の帯」とします。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
さあ!誕生しました。 祝御安産・
御誕生祝
出産祝いは、夫や双方の親以外の人は、産婦の体調が回復してから、産後一ヶ月をめどに贈るように致します。品物は重ならないように本人に希望を聞きます。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
御宮参り 御 初 衣祝
お七夜
生まれて七日目が無事に過ぎたことをお祝いするのがお七夜で、内輪で簡単な祝宴や命名式を行います。初めて着る祝い着は産婦の実家から、御初衣 御初着 として贈ります。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
氏子の登録 御 神 饌 料
初 穂 料
お宮参りは生後一ヶ月くらいに氏神に参拝します。御祓いを受けたり祝詞を上げてもらう場合、赤ちゃんの名前で「御神饌料」や「初穂料」として神官への謝礼を包みます。 水引⇒紅白蝶結び・のし無し白封筒も可
初 節 句 初節句御祝
祝 御 初 幟
御 初 雛 祝
「祝御初幟」は端午の節句。「御初雛祝」は桃の節句で、母方の実家から節句の一ヶ月前から鯉幟や雛人形などを贈ります。第二子以降もおろそかにならないように。住宅事情も良く考えて事前に相談すること。生まれて間もない場合には、翌年に祝います。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
七 五 三 賀 御 髪 置
賀 御 袴着
賀 御 帯 解
三歳の男女、五歳の男子、七歳の女子が十一月十五日に氏神様にお参りし、将来の幸福をお祈りする行事です。三歳に、「賀御置髪」、五歳に「賀御袴着」、七歳に「賀御帯解」の表書きを使い、十一月半ばまでに、晴れ着や学用品など、子供の身の回りの品物を贈ります。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
学 び 御入園祝
祝 御 入 学
入園・入学は、子供の成長の節目として、家族や近い親戚、親しい間柄で贈ります。四月上旬までに図書券や学用品、現金などを贈ります。長期的に繰り返されるので、記録をとっておくことも。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
卒 業 祝 い
祝 御 卒 業
卒業祝は次の入学や就職祝に兼ねるのが一般的だが、進路の決まらない場合などは励ましの意味をこめて贈ります「お祝い」の表書きは気軽にお祝いをしたいときに向いている。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き
巣 立 ち 御 就 職 祝
祝 御 成 人
就職祝いには、社会人になってから使う実用品を贈ります。卒業式後、入社日に間に合うように届けよう。成人の祝は、当日までに、祖父母や両親から式用の晴れ着などを贈る。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き


― 結 婚 の お 祝 い ―

結 納 金 御 帯 料
御 袴 料
結納金を送る際に男性から女性へ贈るのが「御帯料」、女性からのお返しが「御袴料」となります。一般的に御帯料は、月収の2〜3倍を目安にしますが、ご当地の風習に合わせます。 水引⇒紅白結び切り・のし無し
結 納 品と一緒に 目 録
受 書
結納品の受け渡しの際、取り交わす結納品の品名や数を書いたものが「目録」、その受領書の役割を果たすものが「受書」です。書き方は地方によって異なるので、事前に両家で打ち合わせます。 水引⇒なし・のし無し
家 族 書
身 上 書
結納で交わす「家族書」には、同居する家族の氏名と続柄を奇数枚に記し、結婚への賛同の意思を示します。見合い写真に添える「身上書」は家族構成、履歴、趣味、健康状態などを半紙または便箋に記します。 水引⇒なしのし無し・奉書紙に包む・白封筒も可
寿 「寿」は結婚祝に関する慶事全般に広く使います。会場の人への心付け、結婚祝のお返しや、あいさつ回りなどにも。 水引⇒紅白・結び切り・のし付き
御 祝
寿福
御 慶
結婚祝は、披露宴に招かれた場合、当日受付で現金を手渡すのが一般的です。招かれなかった場合は新居への入居前に金品を贈ります。「御祝」は慶事全般に、「寿福」は長寿のお祝いにも使います。「慶事」は、目上の人に使う表書きです。 水引⇒紅白・結び切り・のし付き
御 婚 礼祝
祝御 結 婚
いずれも結婚祝ですが、四文字は「死文字」につながるとされるため「祝」の字を少し離したり、大きさを変えて書きます。水引は、紅白の他、金銀の豪華な飾り結びも使います。 水引⇒紅白または金銀・結び切り・のし付き
ご 御祝儀
御 車 代
挙式当日、お世話になる式場や美容師、運転手などへの「御祝儀」は金額別に小袋を多めに用意しておきます。主賓や仲人への「お車代」は、お礼とは別に渡します。 水引⇒紅白・結び切り・のし付き祝儀用小袋

 
― 生 活 の お 祝 い ―

敬寿
長寿御 祝
万寿
長寿の祝は賀寿ともいい、日本古来の習慣です。平均寿命が延びた現在では、古希や喜寿あたりから、家族や教え子が中心となりお祝いをすることが多いいようです。長寿祝は本人の誕生日に合わせるのが普通ですが、その一年間はおめでたいとされるので、遅くなった時は、お祝い状を添えて送りましょう。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
祝 還 暦
古 希 御 祝
かぞえの六十一歳を祝う還暦は「年寄り扱い」を嫌う人もあるので、本人の希望を聞いてから祝います。古希は七十歳のお祝いです。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
祝 喜 寿
賀 米 寿
喜寿は七十七歳の、米寿は八十八歳のお祝いです。漢字の「喜」の草書体や「米」の文字を分解すると七十七、八十八と読めるところから。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
祝金 婚 式
銀婚式記念
結婚記念日を祝う習慣はもともと欧米のものです。日本では50年目の金婚式25年目の銀婚式に子供一同、孫一同などの名前で、パーティーを開いたり、旅行をプレゼントするなど、盛大に祝うケースが増えています。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
祝 御 新 築
御 竣 工 祝
祝上棟式
家を建てるとき、工事の無事を祈って行う儀式が上棟式です。日本酒や現金を贈りますが、清酒の場合はのしは付けません。新築祝いの贈り物は、お披露目パーティーの前日までに届けますが、日を連想させる灰皿やライターは避けます。「御竣工祝」はビルや大型の建物の新築祝いに使います。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
御 就 任 祝
祝 御 栄 転
祝 御 昇 進
新しくお店を始めたり、会社を設立した人へは、新しい門出を祝ってお店で日常使えるようなもの、現金などを開店前に贈ります。「祈御発展」は、開店、開業にも使えます。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
おせんべつ 引越し、転勤、退職など人を送るとき全般に使えます。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き
祝 優 勝
祝 御 入 選
祝 御 当 選
スポーツやコンクールでの優勝、書道や絵画展での入選や選挙の当選祝は、受賞を知ったらすぐに電話や電報でお祝いを述べます。絵画展の会場にはお花を持っていくことは避けます。ごく親しい間柄や近所であれば、祝宴で使えるような食べ物や清酒を持参したり、祝賀会の準備を手伝います。 水引⇒紅白・蝶結び・のし付き


― 贈 り 物 ・ お 見 舞 い ―


日常生活のなかで、私たちは多くの人とかかわりを持って暮らしています。冠婚葬祭以外でも、日ごろの感謝や相手の様子を気遣い贈り物をします。
御 礼 結婚式で世話になった方や仲人へ、退社、・退職する人、また、病院関係の方や、告別式や法要でのお礼など。冠婚葬祭、日常生活まで広く使える「御礼」は、水引やのしで用途を区別します。 蝶結びか結び切り・のし付き。(弔事には、水引、のしは付けない。)白封筒も可
薄 謝
寸 志
記念品
日常生活でのチョッとした御礼や記念の品を送るとき、「薄謝」「寸志」ともにわずかばかりのお礼、と言った意味があり、目上の人には使いません、祝儀袋は金額に応じて選び、弔事に使う場合は、半紙で中包みして白封筒に入れましょう。 水引⇒紅白蝶結び・のし付き。白封筒も可(弔事には、水引のし付けない)
贈 呈
謹  呈
寄 贈
「贈呈」は慶弔や個人、団体に関係なく用いることができ、同輩や目下の人に使います。「謹呈」は謹んで差し上げるという意味で、目上の人へ贈り物をするときに使います。「寄贈」は会社や団体へ金品を贈るときに使います。 水引⇒紅白・蝶結び/のし付き白封筒も可
内  祝 結婚・出産・長寿のお祝いなど慶事全般のお祝のお返しに広く使います。 水引紅白蝶結/のし付き
奉  納 会社や団体単位で、神社や寺院に金品を納めるときに使います。 水引紅白蝶結/のし無し
束  脩 稽古事を始めるときの入門料や入会金として、または稽古をつけてもらったときのお礼 白封筒
お 中 元
暑中御見舞
「お中元」はお世話になっている人へ感謝の印として贈り、別に挨拶状を出します。関東では7月15日、地方によっては8月中旬まで、それ以降は、「暑中御見舞」とします。 水引⇒紅白蝶結び/のし付き
御 歳 暮
御 年 賀
12月初めから25日頃までに贈ります。年内に届くか危ういときは「御年賀」として、年始回りのときに届けます。喪中の家庭へは中元や歳暮は贈っても年賀は控えます。 水引⇒紅白蝶結び/のし付き
お 年 玉
おとしだま
もとは歳神様からの贈り物の意味で、松の内に顔を合わせた子供へ贈ります。ポチ袋の左肩に相手の名前を書きます。身内のお年寄りには「御慶」として祝儀袋に入れましょう。 水引⇒紅白蝶結び/のし付き
祈御 全快
祈御 快 気
御 見 舞
病人やけが人へのお見舞いは、家族や事情に詳しい人に見舞ってよいか確認してからにします。「祈御全快」は40歳までの病人「祈御快気」は年長者に使われることが多いようです。タブー 鉢植えは「根付く」から「寝つく」とされ土にも細菌が・・で避けましょう。 水引⇒紅白結び切り/のしなし
快 気 祝
本 復 内 祝
病気が完全に治ったら、一週間から10日くらいの間に病気をした本人の名前で「快気祝」や「本復内祝」を贈ります。 水引⇒紅白結び切り/のし付き
御 見 舞 地震・火事・水害などを聞いたら、近くなら駆けつけて手伝い、生活必需品や医療品を贈ります。災害のお見舞いは、目上の方に現金を贈っても失礼に当たりません。 白封筒か半紙・奉書紙に包む。 水引=のしなし


― 不 祝 儀 ―
身内の死は誰にとっても悲しいことです。遺族の悲しみを考えるとやりきれないものがあります。弔事は慶事よりも、よりこまやかな気配りが必要になります。宗教によって使われる表書きが異なりますので注意しましょう。
仏式の葬儀 御 霊 前 「御霊前」は宗派を問わずに使えますが蓮の花が印刷された不祝儀袋は仏式用です。薄墨で書き名前の右肩に住所や会社名を添えます。 *1水引⇒黒白/結び切り/のしなし
弔  辞 遺族の手に残りますので薄墨で丁寧に書きましょう。 水引はなし奉書紙か巻紙
弔事のお返しなどに宗派を問わず使います。 *1白封筒も可
御 香 料
御 香 典(奠)
御  悔
仏式のお通夜、告別式に使います。都合により郵送する場合は、不祝儀袋に入れてお悔やみの手紙を添えて現金書留で送ります。「御悔」はお通夜に、遺族を見舞う意味で金品を持参するときに使います。 *1水引=黒白・結び切り/のしなし
御 布 施 読経をお願いした僧侶やお寺への謝礼として包みます。 *1
御 仏 前
御 供
卒塔婆料
四十九日、一周忌などの仏式法要には招かれた人だけが出席し、「御仏前」または「御供」として金品を包みます。四十九日(三十五日の場合もあります)の忌明けの法要の前には「御仏前」は使えません。百ヵ日法要に卒塔婆供養をするときは、事前に施主に申し出ます。 *1水引=黒白・結び切り/のしなし
忌 明 志 三十五日や四十九日の忌み明け後に、香奠を頂いた方に贈るお返しです。 *1
神式の葬儀 御 神 前
玉 串 料
御 榊 料
「御神前」は神式の葬儀へ持参する金品に。神式では焼香をせずに玉串奉奠として榊を供えるので、その代わりにと言う意味から現金には「玉串料」「御榊料」と表書きします。(供物の贈り方など仏式と同じですが、線香や抹香だけは避けます。) 水引=双白・結び切り/のしなし
御 祈 祷 料
御 祭 祀 料
偲 び 草
神式の法要の際に、神社や神官への謝礼として「御祈祷料」や「御祭祀料」を包みます。中心となる神官には多めに、他の神官とは別に包みます。「偲び草」は神式のお返し(引き出物)で、忌み明けに当たる30日祭、または50日祭の後に贈ります。 水引=双白・結び切り/のしなし  白封筒も可



−キリスト教の葬儀−
日本ではカトリックもプロテスタントも個人の属していた教会で葬儀が行われます。一般会葬者も告別式のみでなく葬儀から参列し、霊前に献花をして(焼香の代わり)個人との別れをします。
御 花 料 キリスト教式には本来、現金を贈る習慣はありませんが「御花料」は花の代わりと言う意味で追悼ミサや記念式でも使います。 お花料は、蓮の模様のない不祝儀袋で、黒白 黒銀 双白 黄白の結び切り/のしなし
忌 慰 料 プロテスタントの葬儀ミサのみに使います。
御 ミ サ 料 カトリックの葬儀ミサや追悼ミサに参列して現金を持参する場合に使います。
献 金 「御ミサ料」と共に、神父、教会への葬儀の謝礼や、お花代を協会に寄付するときに使います。 謝礼全般には、白封筒


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